グランドセイコーの魅力とは

The appeal of Grand Seiko

グランドセイコーとは、日本の老舗腕時計メーカーであるセイコー(SEIKO)が展開する高級腕時計ブランドである。今以上に「高級時計と言えばスイス」という風潮が強かった1960年、スイスの腕時計ブランドに挑むかたちで誕生したのだ。

グランドセイコーのコンセプトは「最高の普通」そして「実用時計の最高峰」。決して華美ではないこのコンセプトを象徴するかのように、グランドセイコーが作る腕時計のデザインは普遍的である。不必要な装飾を施さないその外観には、ごまかしの効かない洗練された美しさが秘められている。

そして専門の時計師集団によって作られる腕時計には、時代に応じた最高の技術力が結集されている。部品生産から組み立てに至るまで、全て日本国内で行うメイドインジャパンクオリティの腕時計。スイスのバーゼルで開催される宝飾と時計の祭典、”BASELWORLD”で毎年発表される新作コレクションは、最高レベルの実用腕時計ブランドとして多方面から評価されている。打倒スイスを掲げた当時の目標どおり、現在は日本のみならず世界的な高級腕時計ブランドの地位を確立した。

グランドセイコーの魅力「3つのムーブメント」

グランドセイコーが世界屈指のマニュファクチュールである理由のひとつが”ムーブメント”にある。腕時計の心臓部であるムーブメントを3種類も展開するのだ。

グランドセイコー 9Fクオーツムーブメント(クオーツ式)

電池を動力源とするクォーツ式時計。グランドセイコー製腕時計の太く堂々とした重い針を動かすために開発された「ツインパルス制御モーター」、秒針が目盛りを正しく示す指示精度を向上させるための「バックラッシュオートアジャスト機構」、2000分の1秒で切り替わる「瞬間日送りカレンダー」など、すべてにおいてクオーツの常識を覆す最高峰のクオーツ。従来の約2倍の駆動力を持ちながら電池寿命は約3年、そして1年使用しても誤差がわずか10秒前後というその精度は、ビジネスマンの愛機として相応しい。

グランドセイコー 9Sメカニカルムーブメント(機械式)

グランドセイコーの機械式ムーブメントは、発売当時からスイス公認クロノメーター規格と同等の検査基準である「グランドセイコー規格」(GS規格)に準じている。

※グランドセイコー ハイビートとは?

高い精度を求められる機械式時計。その精度を決定づけるのが「てんぷ」の振動数である。グランドセイコーのムーブメントはこの「てんぷ」を1秒間に10振動させることに成功している(一般的な機械時計のムーブメントが1秒間に6振動 or 8振動)。振動数が多いことで精度が高まる分、部品への負担が大きくなるためシビアな設計と製造が必要となることからもグランドセイコーがいかに優れた技術を有しているかがわかる。

この10振動の動力ぜんまいに加え、職人の手作業によって調整されるひげぜんまいや耐久性を向上させた脱進機。これら主要部品をはじめ、1/1000mm単位で調整された200~300点近いパーツによって構成されているものがグランドセイコーのメカニカルムーブメントである。

グランドセイコー 9Rスプリングドライブ

スプリングドライブは、機械式時計の動力とクオーツのメカニズムを融合させた、グランドセイコーだけが作り出せるムーブメントである。

機械式時計と同じぜんまいを動力とし、自転車のライトと同じ原理を使いトライシンクロレギュレーターによって発電。生み出された電力が水晶振動子に伝えられ、クオーツ式時計並の精度を発揮する。それだけの高精度ながら電池やモーターを必要としないという、まさにハイブリッドなメカニズムを実現している。

さらに、エネルギーの省力化も徹底されており、72時間のパワーリザーブを実現。週休二日のビジネスマンのライフスタイルに寄り添うものづくりも、「実用時計の最高峰」を目指すグランドセイコーらしい取り組みである。

グランドセイコーの魅力「最高峰の職人技術」

グランドセイコーの腕時計には最新鋭の技術力が投入されているが、製造機械の力だけでは最高峰の実用腕時計は完成をなし得ない。200〜300点ものパーツは、熟練の職人による手作業で組み上げられていく。中でも精度の要である「ひげぜんまい」の調整は、繊細な力加減を要求されるため機械では到底行えない。厚さ僅か1ミリの数十分の一程度のひげぜんまい。ミクロン単位の渦巻きを調整するのは、数値では決して測ることができない気が遠くなるような作業。長年の経験によって培われた感覚と匠の技によって芸術的なムーブメントが完成する。

グランドセイコーの魅力 「デザインへのこだわり」

グランドセイコーの時計に余計な装飾はほとんど施されていない理由は、そこに「最高の普通」であることの哲学がこめられているからだ。時刻の見やすさを追求した針は、ただ太く分厚いだけでなく、幅や角度を緻密に計算された上で研磨されている。丁寧に多面カットされた針やインデックスは、どの角度から眺めても見やすく、美しい光を放つ。表面のサファイアクリスタルは無反射コーティングが施されており、蛍光灯などの光の反射を防ぎ、あらゆる環境下でも文字盤をクリアに見ることが可能だ。

グランドセイコー「海外での評価も高い!」

やはり気になるのが海外での評判。グランドセイコーの腕時計としてのスペックの高さのみならず、華美なマーケティングをしない”ひたむきな姿勢”が国人の心をくすぐっているようだ。これから高級時計を購入検討する男性はもちろんのこと、すでに海外製の高級時計を所有する男性にとっても有力な選択になるのだろう!